突然ですが、ハワイ・オアフ島には１ドルで映画が見られる映画館がありました。先日ふと、その１ドル映画館にローカルの友人に初めて連れて行ってもらったことを思い出しました。もう１０年近く前の話になるので（笑）今はやっていないようですが・・・アラモアナの隣のワード地区にあるレストラン・ロウ９シアターズは２，３ヶ月前の作品ではありますがなんと１ドルで映画が観られるんです。私がはじめてそこで観たのはコメディ映画の『俺たちフィギュアスケーター』でした。日本とは違い、アメリカの映画館で観客はコメディ映画を観て大笑いをするので、ものすごくざわついていたのを覚えています。

Restaurant Row 9 Theatres

日本ではアメリカのコメディはあまり人気がないのであまり知られていませんが、アメリカでは絶大な人気を誇るコメディ俳優、ウィル・フェレルと映画「バス男」の主人公を演じたジョン・ヘダーが、スケート界では異例の男同士でペアを組んで大会に挑むという筋書きの正真正銘の“おバカ”コメディ映画『俺たちフィギュアスケーター』を紹介したいと思います。

あらすじ
アメリカ男子フィギュアスケート・シングル部門の2大スター、チャズ・マイケル・マイケルズ（ウィル・フェレル）とジミー・マッケルロイ（ジョン・ヘダー）。野性的で力強いスケーティングが魅力のチャズ、一方のジミーは正統派の天才スケーターと対照的な2人。お互いライバルと認め、火花を散らす2人は世界選手権で同点1位になるも、納得できず表彰台で大乱闘を起こし、金メダル剥奪のうえにシングル部門から永久追放されてしまう。それから3年半後、かつての栄光はすっかり過去のものとなり、2人は以前とはかけ離れたみじめな生活を送っていた。しかしそんな2人にまたスポットライトを浴びるチャンスが巡ってくる。それは前代未門の男子ペアとしてスケート界に復帰するというものだった。

簡単に言ってしまえばこの作品、とにかくお下品でおバカ。“お下品”という言葉の期待を裏切ることなく下ネタ全開、そしてアメリカンコメディの典型でもあるブラックジョークがてんこ盛りです。ですからそんな低俗なものは観れん！という方にはお勧めはいたしませんが、とにかくあふれるストレスから解放されたい、という方にはぜひご覧いただきたい作品です。

ちなみにアメリカでは２００７年に劇場公開されるやいなや、2週連続1位、興行収入1億ドル突破と大ヒットを飛ばしたようです。アメリカンジョークは日本人にはちょっと理解しがたいところがあるので、アメリカのコメディ映画は日本ではなかなかヒットしませんが、こちらの作品はあまりの馬鹿さ加減に大笑いしてしまうのです。“くだらない”の一言に尽きるのですが、なぜか愉快な気分に…日本ではフギュアスケートは人気が高いということもあって入り込みやすいのでしょうか。

そして驚くことに、この作品には本物の歴代メダリストたちが登場するんです。1988年カルガリー・オリンピック金メダリストのブライアン・ボイタノ、1976年インスブルックオリンピック金メダリスト、ドロシー・ハミル、1994年リレハンメルオリンピック銀メダリストのナンシー・ケリガン、2006年トリノオリンピック銀メダリストのサーシャ・コーエンなど、新旧有名選手が顔をつらねるのですが、思いっきり粗末に扱われてしまっています。がしかし、みなさんスケート界の名だたる大物です！そんな、そうそうたるメンバーのお顔が拝見できるのでフィギュアスケートファンも楽しめるかもしれないデス。

 
キモい男子ペアが繰り広げる奇想天外な数々の技（？）をとくとご覧いただきたい。そして最後はお約束の感動の涙…　　　　はございません。おバカ映画の金字塔とも言えるこの作品。ありとあらゆる笑いを理解する大人のみなさん、大爆笑して体に溜った毒を抜いて元気になっちゃってください！

それと、忘れてはならないのがDVDならではの特典映像です。この特典映像がかなり充実していて見ごたえがあります。NG集やメイキングはもちろん、サラエボオリンピックキンメダリストのスコット・ハミルトンのインタビュー映像まであります。かなりお得感のあるDVDです。