現在、懲役167年の刑で刑務所暮らしをしている脱獄王スティーブン・ラッセルの実話を基にした衝撃の作品『フィリップ、きみを愛してる』を紹介したいと思います。ラブ・コメディの要素もたっぷりといったところですが、これは「愛」をテーマにしたヒューマンストーリです。愛を貫き通すために幾度となく犯罪を繰り返したスティーブン・ラッセルの真実の物語をユーモアたっぷりに描いた作品です。「マスク」で人気を不動のもとのしたジム・キャリーと「スター・ウォーズ」シリーズのユアン・マクレガーの2大スターが同性愛者のカップルを熱演。

あらすじ

IQ169の天才詐欺師、スティーヴン・ラッセル（ジム・キャリー）は、保険金詐欺で投獄された刑務所で出会った心優しいフィリップ・モリス（ユアン・マクレガー）に一目ぼれ。運命の人と出会ってしまったスティーヴンは、フィリップを幸せにしたいがために釈放後も詐欺行為を繰り返し、再び投獄されてしまう。しかし、「きみを愛してる」その一言をフィリップに伝えたい一心でスティーヴンは幾度となく脱獄をするが、自分も騙されていたと知ったフィリップは彼には会おうとしない。しかし、スティーヴンはあきらめることはなかった…

IQ169という天才的な頭脳を持つスティーヴンは元警察官でかつては妻子もあったそう。しかし、ある交通事故をきっかけに、好きなことをして生きようと詐欺師に転身し、ゲイであることもカミングアウト。以前紹介した「キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン」のレオナルドディカプリオ扮する驚きの天才詐欺師はIQ136でしたから、スティーブンの詐欺行為の数々ときたら信じがたいほど華麗なテクニックなわけです。スティーヴン役があのハイテンションなジム・キャリーなだけに、これはホントに実話か！？と疑ってしまうわけですが、ホントにホントの話なのです。本作は、実際に懲役167年の刑で現在も服役中のスティーヴン・ラッセルさんの証言に基づいて書かれたというノンフィクション小説”I Love You Phillip Morris” が原作。アメリカは国土もデカければ、やることのスケールもデカいです、やっぱり～。とにかく、これほどまで上手く人を騙せるものなのか、と驚きの連続です。

ちなみに、今でも服役中のスティーヴン・ラッセルさんご本人はこんな方☆

テキサス州のハンツヴィル刑務所で1997年に撮影されたもの。

そもそも、懲役167年ってなんでしょうね。どう考えても服役中にお亡くなりになるでしょうから、終身刑でいいのでは？と思っちゃいますが、その刑期の長さの理由は本作をご覧になると分かりマス。

そして、忘れてはいけないのが、スティーヴンが恋に落ちたフィリップ・モリス。タバコとまるっきり同じ名前ですね。恋人であるフィリップ役をユアン・マクレガーが熱演も熱演。あの男前な容姿で迷子になったわんころみたいに繊細な同性愛者を演じるわけなんですが、そのしぐさといったらもう女の子。可愛いったらありません。ユアン・マクレガーの見てはいけない意外な一面を見てしまった気分になってしまいました。やはり役者です。可愛らしくてただただ、脱帽でした。

愛しているがゆえに嘘をつき続け、暴走するしかなかったものと、その嘘に深く傷ついてしまうもの。「愛」の本質についても深く考えさせられる作品です。。

『フィリップ、きみを愛してる！』予告編

補足：素朴な疑問なのですが、日本では懲役167年と紹介されていますが、英語のメディアでは懲役144年となっています。まあ、特に気にすることでもありませんね（笑）