年の差不倫・逃亡の末、一家離散に追い込まれた人妻が得たもの
米カンザスシティに住む60代の元ドックトレーナーの女性トビー・ドアさんは、15年前に23歳年下の終身刑の男性と不倫の末、脱獄し逮捕された。
トビーさんは『過去はかえられない』と認め過去の過ちについて尋ねられると『自分と同じ過ちに陥っている女性をみるとそれは間違っていると言える』と答える。それは何故なのか。
運命に燃えたのは脱獄の瞬間だけ
15年前の’06年。
ステージ4の膀胱がんを患った父親の看病をする彼女を見てマナードさんはドビーさんに愛していると伝えた。
ここから逃げ出して一緒になろうと誓うマナードさんの言葉に最初は取り合わなかったドビーさんだったが、日に日にドビーさんはマナードさんとの生活を考えるようになっていく。
『もし彼が刑務所の外にいたら、小さなアパートを手に入れることが出来るのに…』
ドビーさんがマナードさんに刑務所に内密に携帯電話を渡したことも2人の仲を縮め駆け落ち同然の脱獄をするきっかけとなった。
そして運命の日、’06年2月12日。トビーは積立金から500ドルを引き出し軽トラックを購入し、1カ月分の食糧と男性用の衣服をウォルマートで購入。
マナードさんは犬用のトレーニング用具を入れる段ボール箱の中に入り、犬の入るケージの中に詰め込まれ刑務所の外に出た。
トビーさんはこの時、最長でも数か月後には家にもどれるだろうという甘い考えでいた。刑務所を出て車を走らせたトビーさんは不安にかられた。自分の積んでいる段ボールの中にマナードは本当に段取り通りに入っているのだろうかと。
彼女は刑務所を出てしばらくしてさけんだ。
『ジョン、そこに居る?ケージの中にいるの?』
しばらくして1つの段ボールの内側から破られる音がした、破ったのはマナードだった。
2人の脱獄ルートは、トビーの家で里親に出す犬を犬小屋に入れた後、テネシー州の湖畔の山小屋を迂回するというものだった。
しかしトビーは後に語る。
『夫もマナードも強情で負けず嫌いな男性である事には変わりなかった、最後は恐怖の対象でしかなかったのです。』
脱獄後の恋人は夫と同じだった
脱獄後のマナードは脱獄計画をトビーさんに早口でまくし立て、トビーさんの携帯電話を取り上げ湖にすてた挙句、道が判らなくなると激昂する男性だった。
道順を忘れたトビーさんに『君なんか連れて来るんじゃなかった!役立たずめ!君を放り出した方がマシだ!』と怒鳴り散らした数時間後に、
『君を自分の世界の中心にして生きたいと思う人が、君にはふさわしい』と告白する男性を信用出来るだろうか?
だが夫以外から告白された事がない自己肯定力の低いトビーさんは脱獄前に浴びるほど褒められ、判断能力を失っていた。
目的地の山小屋についた後マナードさんは手持ち金もなくトビーさんへの贈り物は全てトビーさんからお金を出して貰いプレゼントをしていた。
悪くいえばヒモにお金をあげたようなものだ。それをトビーさんは
『最高のバレンタインデーであり私の人生で最高の瞬間だった』と語っているのである。
逃亡から4日目まではギターショップに行き2人ははしゃぎ、恋人気分を味わったが、そんな夢もいつか覚める。
逃亡から1週間、偶然入ったマクドナルドでつないだwifiに2人の逃亡が報道されている事を知った。
逃亡から10日経った頃、トビーさんとマナードの関係はまるで、トビーと夫の様に悪化していった。
いつもピリピリしているマナードの機嫌をつねに伺うトビーにとって駆け落ち脱獄は既に無意味な事になっていた。
マナードは山小屋の薪を買いに行けないだけで『トラックを崖から突き落としてやる』と激怒したかと思いきや、動物園で大きなヘビを見たい突然言い出す始末。
そうかと思えばショッピングセンターで突然いなくなり、陳列棚の隙間から出てきてわざとトビーさんを驚かせようとしたりした。
『私を驚かせて和ませようとした、もしくは許して貰おうと思ったのでしょうか。全く面白くもありませんでしたし、疲れ果てていました。』トビーさんはその時の事をこう語る。
この時には2人は既に連邦保安官に居場所をマークされていて、逮捕されるのは秒読み状態だった。
トビーさんは加重逃走幇助、刑務所への禁制品(携帯電話など)の持ち込み、重罪犯への小火器供給の罪で懲役27カ月。
マナードさんはさらに懲役10年が追加された。
不倫、駆け落ち脱獄、一家離散死別へ
トビーさんはこの一件で、家族離散の悲劇に遭う。
既に病気だったトビーさんの父は彼女の逮捕から8週間で帰らぬ人となった。
トビーさんの身内は、トビーさんの行いが父の死を早めたとし、離婚は彼女が彼女が刑務所に行く前日に成立した。
トビーさんは携帯電話にマナードからのメッセージが入っていたのを夫に見られた事がある。だが彼女の夫は、お前に関心をもつ男などいない、いたずら電話だと一蹴した。駆け落ち脱獄の時には既に無関心だった。
トビーさんの2人の弟は連絡を取る事が出来たが、4人の妹とは縁が切れたも同然となっていた。服役中トビーさんを唯一面会に訪れたのは母親だけ。
釈放後、トビーさんは母親の元に移り住んだが、カンザスシティは彼女の全てを知っている人ばかり。居心地が悪くなり、トビーさんはボストンでウェブデザインの仕事を見つけ引っ越す事にした。
故郷に帰ったのは、’08年のクリスマスイブ。一番下の息子がホジキンリンパ腫で余命数ヶ月と診断されたからだった。
離婚以後、トビーさんの息子は彼女のを死の淵まで拒否しつづけた。
彼女が23歳年下の終身刑の男性と不倫の末脱獄、家族を壊した罪は大きかった。’21年現在、彼女はどうしているのか。
もう二度と過ちは犯さない
マナードとの出逢いによって彼女の中の何が変わったか。
冤罪など救済の余地のある人でも一生刑務所にいる理由、夫に不満を抱きながら何故最終的に夫と同じ欠点を持つ男性を選ぶのかという事が判ってきた。
トビーさんは、釈放後もマナードから手紙を受け取ってはいたが、トビーさん自身刑務所でワークショップを通じ新しい交友関係が出来、今までの人生を振り返った事によりマナードの手紙の内容が現実離れしていて稚拙に思えるようになったという。
現在の彼女のパートナーはクリスという男性だ。
元夫やマナードとは全く別のタイプで、彼女の中身や生き方を肯定してくれる男性だ。
彼は、僕が付き添うからもう一度マナードと合わないか、と背中を押した人物でもある。
トビーさんはクリスと共にマナードにもう一度あった。だが彼女はどんなに彼に愛をささやかれてもあの時のように心も動かなければときめきも感じなかった。
彼女は言う、過去はかえられない。
同じ事はするだろうかと聞かれれば『二度としません、絶対に、それが人生の学びであり成長ですから』
https://www.kansascity.com/news/local/article216044285.html
関連記事一覧
ゼンデイヤ、J.Loご指名デザイナー石油王のひ孫オーガスト・ゲディって誰?
©gaytimes.co.uk J.Lo、ゼンデイヤ、レイチェル・マクアダムス…若干25歳にしてハリウッドAリストセレブから指名され…
孤児院では殴られてばかり、愛してるって今更言われてもどうでもいい…ルーマニア独裁政権悲劇の遺産
©theatlantic.com 『ようこそ『ルーマニア』へ』 米コロラド州デンバー郊外の邸宅に住むイシドル・ラックル('20年現在…
『がんばれ!田中みのるくん』石塚大介がイケメン杉・東京福岡個展も!
インスタで約14万のフォロワーを持つギャク漫画家の石塚大介さん(28)が、 '20年10月23日~25日『ギャラリーうえまち』( 近鉄なん…
【ビフォーアフター】戦争で生き別れた3兄弟、90年後に再会して写真撮影?
©borepanda.com 先の大戦で生き別れになった3兄弟。ネットという名の文明の力でお互いの生存が判り、90年後に再会し、3人…
お誕生日サービス悪用?365日タダメシ喰らった19歳学生!
お誕生日サービスを悪用し1年間タダ食いライフハックをTiktokで公開(該当投稿削除)はした19歳の学生が話題になった。お誕生日は無料クー…