人を騙すのはやっぱり良くない、でも感心してしまう!?『キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン』
近年、新しい政策や制度などに便乗してさまざまな手口を使ったいわゆる振り込め詐欺が横行する世の中になってしまい、その被害も後を絶ちません。人を騙してお金を吸い取るなんてホントにセコイなーと思うし、切ないですよね。やっぱり良くないですよ、詐欺は。私は詐欺の話を聞くと、決まってレオナルド・ディカプリオが天才詐欺師に扮した映画『キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン』を思い出します。実在した詐欺師の物語です。1960年代に世間を騒がせた実在の天才少年詐欺師フランク・アバグネイル・ジュニアの逃亡劇を描いた実録犯罪コメディなのですが、近年横行している◯◯詐欺とはスケールが違うんです、これが。感心すらさせられてしまう作品なんです。時代背景も関係するとは思うのですが、実話だというから驚きです。世の中に天才っているものです。
原作はフランク・アバグネイル自ら執筆した自伝「世界をだました男」。
噂によると、この原作というのが映画よりもはるかに面白いのだとか。
あらすじ
1963年、16歳のフランク・アバグネイル・ジュニア(レオナルド・ディカプリオ) は、両親の離婚のショックから家出をする。何とか生き抜く手立てを、と思いついたのが小切手詐欺だった。試行錯誤のあげく、航空会社からパイロット情報を入手。まんまとパイロットになりすまし、人々を欺いた。それからというもの、フランクの華麗なる詐欺行為に拍車がかかる。小切手の偽造を繰り返しては巨額の資金を手に入れていくのだ。そんな中、FBIが動きだす。巨額小切手偽造詐欺事件の捜査にあたっていたベテラン捜査官カール・ハンラティ(トム・ハンクス)は犯人逮捕に全力をあげるわけだが…
この天才詐欺師のフランクさん、何と16歳から詐欺をはじめ、21歳までに400万ドルも稼いだそうですよ。400万ドルといったら、現在の貨幣価値で3億を余裕で超える額だそうです。
多少なりとも膨張はされているにせよ、何せ“実話”ということが念頭におかれたまま作品を観てしまっているので、こんなことホントに簡単にできちゃうのか!?と驚きと疑いの連続でした。巧妙な手口で詐欺行為を繰り返しては、まるで鼻が利くかのように敵を欺き、華麗に捜査の手を逃れる。これほどうまくいくものなのか。
そして、犯人を取り逃がすばかりのFBI。こんなにヘナちょこでいいのか!?と時折思いつつも、追う者と追われる者とのイタチごっこがコミカルにテンポよく描かれていて笑いを誘います。そしていつしか、その2人が捜査官と詐欺師を越え、何か別の不思議な関係になっていくあたりも興味深いものがあります。
この嘘のようなホントのお話はもとより、この作品は60年代の風景や衣装などがとてもスタイリッシュに表現されており、その映像も見応えたっぷりです。たとえその時代を知らなくてもなぜか懐かしさを感じます。
まあ、最終的に天才詐欺師フランク・アバグネイルはとうとう21歳で逮捕され、詐欺人生に終止符を打ち、刑に服すわけですが、その才能を生かし後に詐欺防止を中心とした金融コンサルタント会社を設立したとのこと。頭のキレる人はやはりどこか違うものです。
ついでと言っては何ですが…この作品は1960年に実在した天才詐欺師のお話ですが、現代版フランク・アバネイルとも呼べる天才詐欺師のお話があるのです。もちろん実話です。その詐欺の手口といったら、まさに『キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン』そのもの。ただ1つ違うのは小切手詐欺がクレジットカード詐欺という点。それ以外はまるっきりと言っていいほど映画と同じで驚いてしまいました。
こちらの天才詐欺師はスコットランド出身のエリオット・カストロ。16歳から詐欺を始め22歳になるまでに数百万ドルを人から騙し取り、逮捕されたのは2005年。服役後にはその才能を生かしセキュリティー会社でフリーのコンサルタントをしているのだとか。詐欺師引退後の進路までそっくりではないですか。映画を観て詐欺師になったのでしょうか…!?
エリオット・カストロ自らが悪事のすべてを明かした本(自伝を執筆するところまで同じです!)が出版されています。これがけっこうハマります。
『アザー・ピープルズ・マネー』日之出出版
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