地味なスパイ映画『裏切りのサーカス』
1979年にイギリスのBBC放送でドラマ化されたジョン・ル・カレのスパイ小説『ティンカー、テイラー、ソルジャー、スパイ』を映画化した『裏切りのサーカス』を紹介させていただきます。英国謀報部サーカスに潜む、ソ連の二重スパイを突き止めるべく、緊張の頭脳戦を描いた作品で主演のゲイリー・オールドマンをはじめ、「英国王のスピーチ」のコリン・ファース、「インセプション」のトム・ハーディとイギリスの実力派俳優の共演にも注目されました。監督は「ぼくのエリ 200歳の少女」のトーマス・アフレッドソン。
あらすじ
時は東西冷戦下。イギリス情報局秘密情報部MI6(サーカス)とソ連国家保安委員会KGBは激しい情報戦を繰り広げていた。ある策略により、サーカスを引退したジョージ・スマイリー(ゲイリー・オールドマン)にある日、極秘の指令が下される。それは、長きにわたりサーカスに潜りこんでいる二重スパイ“もぐら”を探し出せというものだった。
DVDがレンタル開始された当初は、私の行くレンタルショップでは常に貸出中になっていたので、とっても気になっていた作品でした。無いとなると余計に観たい!となるのが人間の心理というものですからね…。やっとレンタルできて無事鑑賞できたのですが、期待が大きすぎたせいか、最初に観た感想はというとちょっとガッカリでした(笑)。なぜガッカリだったのかと言うと、とにかく分からない。予備知識がないと観てはいけない作品です(笑)。分からなくさせるもう1つの理由として、回想シーンが多すぎるということも挙げられます。その回想シーンってのも、現在なのか、過去なのか非常に判断に困り(笑)時系列が把握できずに混乱してしまう。もっと腰を据えて観るべきと思ったものでした。
同じスパイ物でも007のようなアクション系ではなく、ひたすら地味に話が展開されていくわけですが、もしかしたらそこに“スパイ”という職業のリアルさが表現されているのか。その地味さがイギリス映画らしいと言えばそうなのかもしれませんが、とにかく地道。
ただし、俳優陣の演技はすばらしい。特に主演のゲイリー・オールドマンは、派手さで見せるところは1つもなく、抑えた演技なのにあの存在感。静かであればあるほど、その演技に強い印象を受けました。ホント、お見事です。
個人的には不完全燃焼なままなのですが(※何度か観ているにもかかわらず…)、映像はとってもきれいです。まだ一度も観たことがないという方は原作なり、映画関連のサイトなりを熟読されてぜひとも集中して鑑賞することをお勧めします。
ちなみに、ジョージ・スマイリーを演じたゲイリー・オールドマンが『裏切りのサーカス』続編に再び同じ役柄で出演するそうです。このお話はまた別の機会にしたいと思います。
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