とにかくお父さんが偉大!『コレリ大尉のマンドリン』
今回は何度も観たくなる映画、というか、厳密に言いますと、何度も観たいシーンのある映画『コレリ大尉のマンドリン』を紹介したいと思います。原作は20世紀の100冊に選ばれたイギリスの大ベストセラー小説「Captain Corelli’s Mandolin(コレリ大尉のマンドリン)」(ルイ・ド・ベルニエール著)で、イギリスでは20人に1人が読んだと言われているほどの人気小説を映画化した作品です。
あらすじ
1940年、ギリシア・イオニア海に浮かぶケファロニア島。第二次世界大戦の真っ最中、この穏やかで美しい島にも戦争の足音が近づいていた。島の医師イアンニス(ジョン・ハート)の娘ペラギア(ペネロペ・クルス)にもその火の粉がふりかかろうとしていた。婚約者で島の漁師マンドラス(クリスチャン・ベール)はイタリア軍が侵略してきた隣国アルバニアへ出兵することに。戦地に手紙を送り続け彼の帰りを待つペラギアだったが、手紙の返事が返ってくることはなかった。マンドラスとは音信普通のまま翌年、ギリシアはドイツ・イタリアに降伏する。消息不明だったマンドラスも帰還したが、かつてとは別人のように変わり果ててしまった彼にペラギアは戸惑いを隠せなかった。やがて島には占領軍がやってくる。イタリア兵の隊列を率いるアントニオ・コレリ大尉(ニコラス・ケイジ)が背中背負っていたのは銃ではなく、奇妙なことにマンドリンだった。このコレリ大尉にペラギアはいつしか心を惹かれていく。
第二次世界大戦下の悲劇の中で芽生えた愛を描いた感動作として、この映画が公開された当時、黒柳徹子とおすぎも大絶賛したそうです。ですが実を言うと、私はちょっと違いました。物語の内容としては、許されない2人が恋に落ち翻弄されながらもその愛を貫く、といったよくあるラブストーリーではあるな、という印象でした。しかし!強烈に印象に残ったシーンが1カ所だけあります。シーンというよりセリフと言ったほうが正解かもしれません。この映画はこれまでに何度か観ましたが、何度観てもその1シーンだけは最初の感動と同じ感動を受けます。そのくらい、説得力があり心に深く刻まれるセリフなのです。
そのセリフとは、ペギレラとコレリ大尉の関係を察したペギレラの父、イアニス医師が娘に「愛」とはなんぞや、と力説するところ。あまりにもその内容に納得しまい、はじめてこの作品を観たときに、そこだけ何度も繰り返し観たのを覚えています。
ペギレラのお父さん、娘にこんなことを語っています。
恋とは一時的に衝撃に襲われるようなものだ
地震のように揺れてやがておさまる
そしておさまったら考えなければいけない
2人の根があまりにも深く絡み合っていたら別れることはもう不可能だ
それが愛というものなんだよ
愛は胸の高鳴りや息苦しさ――
そして抱き合うことじゃない
体中を這う彼のキスを夜中に想像することでもない
人は自分に言い聞かせる
“ああ、私は恋をしている”
そういう恋が燃え尽きて後に残るのが“愛”なのだ
娘にこう言い聞かせて、最後に「お前はコレリ大尉にそのような愛を抱けるか?」と訊ねるわけです。
途中、ペギレラがうつ向いてしまうのですが、父はそれを見て、ちゃんと聞けと言わんばかりに「顔を赤らめるな」と言い放つのですが、そんな一言からも父親の偉大さを感じました。
また、この映画の撮影は実際に悲劇が起きたケファロニ島で撮影されています。その美しい島が堪能できるのも見どころのひとつと言えます。小説によって人気が集まり、映画化されてからはさらに注目度がアップしたという噂です。
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