ミニシアターブームを代表する1作『バクダッド・カフェ』
1980年代後半から1990年代にかけて、日本ではミニシアターブームなるものが巻き起こりました。マイナーな作品の上映が多いミニシアターですが、だからこそ、“ここでしか見られない”作品に出会えると映画ファンからはとても愛されているのです。時代とともに閉館するミニシアターも少なくはありませんが、今もなお映画通を魅了し続けています。今回はその、ミニシアターブーム当時を代表する1作『バクダッド・カフェ』を紹介したいと思います。
映画『バクダッド・カフェ』は日本初公開が1989年、今から20年以上も前の作品です。初公開で大ヒットを記録し、時を経てもその人気は衰えることなく、1994年にはオリジナル版よりも長いノーカット版が完全版として公開され、さらに2009年には色と構図を新たに調整し再編集されたニュー・ディレクターズ・カット版が公開され、時代を超えて映画ファンを魅了し続ける作品です。ジェヴェッタ・スティールが歌うテーマ曲「Calling You」がともにヒットしたことでも話題になりました。
あらすじ
アメリカ西部の砂漠の真ん中にたたずむさびれたモーテル“バクダッド・カフェ”に、旅の道中、夫とけんか別れをしたドイツ人のジャスミン(マリアンネ・ゼーゲブレヒト)が1人たどり着く。常に不機嫌な女主人ブレンダ(CHH・パウンダー)が営むバクダッド・カフェには変わり者ばかりが集まっていた。女主人のブレンダは、砂漠のど真ん中に1人歩いてやってきた得体の知れないドイツ人観光客に疑いの目を向けるも、次第にバクダット・カフェに集う者たちはブレンダの影響を受け変わりはじめていく。
正直に申し上げると、こういった人間ドラマ的な作品の評価というのは賛否両論といったところでしょう。個人的には、最終的にみんなしてハッピーになるストーリーが好きなのでおススメしたい作品です。最初から最後までメリハリみたいなものが全くなく、常に単調なのですが、雰囲気に完全にもっていかれ、癒されます。登場人物はみなさんとっても個性的で、それぞれがいい味を出しているのですが、何といってもドイツ人旅行者のジャスミンがいい。ちょっと不思議な魅力があり、見れば見るほど可愛く見えてきてしまうのですよ。ふくよかな女性ってやっぱり魅力的に感じるのかもしれません。包容力があるというか何というか。
個人の解釈の仕方で、感想が大きく変わってしまうかもしれませんが人と人とのコミュニケーションの奥深さを感じとれる貴重な作品です。人間関係に悩んでいる人は、この作品から打開策のヒントが得られるかも!?
最近モヤモヤしているという方は試しに観てみる価値アリの作品です。
テーマ曲の「Calling You」も大ヒットしましたが、恥ずかしながらこの作品がきっかけとは知りませんでした。この曲の幻想的な旋律が砂漠の茫然とした空間にとってもマッチしています。
ジェヴェッタ・スティール「Calling You」
関連記事一覧
コメント
この記事へのトラックバックはありません。
ゼンデイヤ、J.Loご指名デザイナー石油王のひ孫オーガスト・ゲディって誰?
©gaytimes.co.uk J.Lo、ゼンデイヤ、レイチェル・マクアダムス…若干25歳にしてハリウッドAリストセレブから指名され…
孤児院では殴られてばかり、愛してるって今更言われてもどうでもいい…ルーマニア独裁政権悲劇の遺産
©theatlantic.com 『ようこそ『ルーマニア』へ』 米コロラド州デンバー郊外の邸宅に住むイシドル・ラックル('20年現在…
『がんばれ!田中みのるくん』石塚大介がイケメン杉・東京福岡個展も!
インスタで約14万のフォロワーを持つギャク漫画家の石塚大介さん(28)が、 '20年10月23日~25日『ギャラリーうえまち』( 近鉄なん…
【ビフォーアフター】戦争で生き別れた3兄弟、90年後に再会して写真撮影?
©borepanda.com 先の大戦で生き別れになった3兄弟。ネットという名の文明の力でお互いの生存が判り、90年後に再会し、3人…
この記事へのコメントはありません。