スリルと人間ドラマ、実話を基にした映画『アルゴ』
1979年、テヘランで起きたアメリカ大使館人質事件で、実際に人質救出のためにCIAが行った驚愕の救出作戦を描いたサスペンスドラマでベン・アフレックが監督・製作・主演を務めたことでも話題になった映画『アルゴ』を紹介します。
あらすじ
1979年11月4日、テヘラン。イラン革命が激しさを増し、ついには過激派グループがアメリカ大使館を占拠し、52人もの職員を人質に取るという事件が発生する。混乱の中、6人の職員が裏口から脱出し、カナダ大使の私邸に逃げ込んだ。しかし、このままではイラン側に見つかるのも時間の問題だが、彼らの救出は極めて困難な状況だった。そこで国務省から協力を求められたCIAの人質奪還の専門家、トニー・メンデスは前代未聞の大胆な救出作戦を立案する。
ベン・アフレックといったら、ハーバード大出身のインテリ俳優という印象が強いですが、その才能は俳優だけにとどまりません、同じくハーバード大出身、友人のマット・デイモンと共同で「グット・ウィル・ハンティング」の脚本を書いたことで、脚本家としての能力も開花させ、さらに「ゴーン・ベイビー・ゴーン」「ザ・タウン」で映画監督としての手腕も高く評価されました。そのベン・アフレックの監督・主演作品ということで、公開当時、期待を膨らませて映画館へ足を運んだのを覚えています。そして、その後何度もDVDやCS放送で見ています☆
『アルゴ』はイランでアメリカ大使館が占拠され、大使館員が人質に取られたという、1979年に実際に起きた事件を基に作られた映画ですが、まず、魅せかたが非常にうまい。多少の脚色はあるにせよ、おそらく忠実に当時の事件が再現されているのではないでしょうか。事件のことを知らない人でも、きちんと理解できる内容になっています。そのうえ、エンターテイメントの要素もきっちり盛り込まれていて、臨場感にあふれ、ドキドキ、ハラハラの連続です。
ハリウッドまでをも巻き込んで実行された救出劇は、まさに驚きですが、アメリカ人の愛国心の強さを改めて感じることはもとより、何よりも、これほど大胆な手を使ってまで人の命を救おうと考え、実際に行動した人たちや協力者がいたことに感銘を受けます。心ない人が増えたと思われる今の世の中ですが、人間の根底にはちゃんと思いやりの心や大きな優しさがあるのだと思え、少し救われた気持ちになります。
本作では、大使館が占拠される最中、逃れてきた6人の救出劇に焦点を当てていますが、この事件で、52人ものアメリカ大使館の職員が人質に取られました。当時の米大統領のカーターは軍事力による人質救出を試みたものの、輸送機の事故によりあえなく失敗。その後は、イラン政府への説得を続けたものの、事態は何ら変化しませんでした。しかし、1981年1月20日、ロナルド・レーガンが大統領に就任すると同時に人質はあっさりと解放されました。実に444日も拘束されていたそうですが、1人も死者を出すことなく無事に帰国したそうです。
そして1970年代の風景やファッションにも注目したいところです。まるで当時にタイムスリップしたかと錯覚してしまうほど、リアリティーにあふれています。すべてにおいてぬかりがない、ベン・アフレック渾身の1本と言ってもいい作品です。
『アルゴ』予告編
関連記事一覧
コメント
この記事へのトラックバックはありません。
ゼンデイヤ、J.Loご指名デザイナー石油王のひ孫オーガスト・ゲディって誰?
©gaytimes.co.uk J.Lo、ゼンデイヤ、レイチェル・マクアダムス…若干25歳にしてハリウッドAリストセレブから指名され…
孤児院では殴られてばかり、愛してるって今更言われてもどうでもいい…ルーマニア独裁政権悲劇の遺産
©theatlantic.com 『ようこそ『ルーマニア』へ』 米コロラド州デンバー郊外の邸宅に住むイシドル・ラックル('20年現在…
『がんばれ!田中みのるくん』石塚大介がイケメン杉・東京福岡個展も!
インスタで約14万のフォロワーを持つギャク漫画家の石塚大介さん(28)が、 '20年10月23日~25日『ギャラリーうえまち』( 近鉄なん…
【ビフォーアフター】戦争で生き別れた3兄弟、90年後に再会して写真撮影?
©borepanda.com 先の大戦で生き別れになった3兄弟。ネットという名の文明の力でお互いの生存が判り、90年後に再会し、3人…
この記事へのコメントはありません。