CSの映画チャンネルってなぜか同じ映画を繰り返し放送するときが多いですよね。少し前にアメコミ系映画の『キック・アス』が立て続けに放送されていて、もうこれはいいよ〜と思ってもなぜか放送されるたびに観てしまっています（笑）。アメコミ大好きというわけでもないのですが、どうしてだか見てしまいます。

というわけで、まだ観たことがないという人のために…勝手ながら作品紹介させていただきます。

『キック・アス』はスーパーヒーローをテーマにしたアメリカン・コミックを映画化したアクション・コメディ。全米で公開1週間目にして興行成績No.1を記録した大ヒット作。プロデューサーは日本でも大人気の俳優ブラット・ピットということでも話題を呼んだ作品です。

あらすじ

―――　ニューヨークに住むデイヴ（アーロン・ジョンソン）スーパーヒーローに憧れるさえないオタク高校生。そんなデイヴはネット通販で買ったコスチュームを着て勝手にヒーローになりきり、無謀にも自警活動を始めスーパーヒーロー「キック・アス」になろうと奮闘する。ただのオタク高校生がコスチュームを身にまとっただけで本物のヒーローになれるはずもなく、パトロール初日にチンピラにあっけなくボコボコにされ入院。しかし懲りずにその後もヒーローを続けるデイヴ。ある日その様子が動画サイトにアップされ、たちまち「キック・アス」は人気者となるのだが…

ヒーローものといっても、いわゆるスパイダーマンやバッドマンといった王道ではないところがいい味を出している作品。何を思ったか心の底からヒーローになりたい、いやなれると思っているオタク高校生のデイヴは本気で正義のために立ちあがってしまうわけですが、これがまたへなちょこ。でもその純真さが愛おしく思えたりしちゃうんですね。この映画、デイヴの独りよがりの悪人退治という構成だと間違いなくただのおバカコメディになっちゃいそうなんですが、そこにニコラス・ケイジ扮するビッグ・ダディとクロエ・グレース・モレッツ（この時弱冠13歳！）のヒット・ガールが加わることでメリハリがつき、おバカ一色でなくなるわけです。

とにかくテンポとキレのあるアクションでかっこいい！復讐に燃えるこの親子のコンビが相当いいですよ。ニコラス・ケイジが好助演を見せてくれます。

ただし、暴力シーンはかなり過激なので、この作品に異議を唱える人も少なくないかもしれません。ちょっと度が過ぎるとも言えるシーンも多々あるので…子どもには見せてはいけません。ちょうど中学生くらいの年頃の子どもたちに人気が出そうではありますが、あくまでも分別のある“大人”が楽しむ映画です。内容はとっても不謹慎かつ不道徳、なのに後味スッキリなのですよ、なぜか。これはやはり製作陣の手腕でしょうか。

過剰すぎるとも言える暴力シーンをさらっと流せる大人の方ならば、観た後気分爽快になれる作品です。しつこいようですが、あくまでも分別のある大人の方にのみおススメします。

『キック・アス』予告編

監督：マシュー・ヴォーン
原作：マーク・ミラー、ジョン・S・ロミタ・Jr
出演：アーロン・ジョンソン、クリストファー・ミンツ＝プラッセ、マーク・ストロング、クロエ・グレース・モレッツ、ニコラス・ケイジ、クラーク・デューク、エヴァン・ピーターズ、リンジー・フォンセカ
マイケル・リスポリ　他
製作国：イギリス／アメリカ
製作年：2010年
公式サイト：http://www.kick-ass.jp/index.html

『キック・アス』の続編『キック・アスジャスティス・フォーエバー』が２０１４年２月に劇場公開されました。機会があればこちらも紹介したいと思います！